日々
それでも少しだけ緊張していたのか、
いつの間にか握りしめていた拳を緩める。
ふぅ、と息を吐けば白くなって
消えていく。
なんだか、それが可笑しくて笑いそうになった。
「里桜!」
「あ、にぃ!お父さん!」
駆け寄ってくる二人に笑い掛ければ
安心したように笑ってくれる。
「…見てたんだ?」
一部始終。二人に笑って聞けば、
お父さんは笑いだして、
にぃは、そっと、
視線を反らしながら
「流石。」
と、多分誉めてくれたのか?な?
一応二人は、ヤバそうになったら
助けに来ようとしてたらしい。
「私ならそうなる状況にはならないと踏んだ上で」
何て言うから少し腹立たしいけど、
今回だけは、許してあげても良いかな。