隣の席の俺様ヤンキー【完】
「んっ?つーか、莉奈ちゃんと一緒にいるのって……」


「……――宮崎優斗」


「あ~、そうそう。宮崎だ!!」



ほんの数メートル先にいる莉奈と宮崎の姿を見つけて自然と拳に力がこもる。


少しずつ、俺達のいる方向に歩みを進める二人。


まだ俺達に気付いている様子はない。



あいつ……何で宮崎と一緒に歩いてんだよ……。


保健室を先に出た俺に、その後の莉奈の行動は分からない。


でも、宮崎と一緒にいるということは二人で示し合わせたに違いない。


二人が何を話しているのか、どんな顔をしているのか、薄暗くてよく分からない。


ただ、寄り添うようにして歩く二人に苛立ちばかりが募っていく。
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