隣の席の俺様ヤンキー【完】
「で、右と左どっちだ?」


「……右。その後はずっと真っ直ぐ」


「最初っからそう言えよ。バーカ」


「でも、家もすぐそこだから」


だから、ここまででも大丈夫だよ?


そう付け足そうとすると、


「ここから家に入るまでの間に何かあったらどうすんだよ」


魁一はサラッとそう言い放った。


俺様だし、ドSだし、強引だし、すぐに怒るし、口も悪い。


だけど歩幅を合わせてくれたり、


何気なく車道側を歩いてくれたりする優しいところ、


あたしちゃんと知ってるよ。


魁一と繋がっている手の平を見ると、嬉しさが全身に込み上げてくる。

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