隣の席の俺様ヤンキー【完】
「キッカケなんて覚えてないし。ただ、何となく気になって目で追ってたら好きになってたとか……そういうんじゃねぇの?」
「へぇ……」
「と、とにかく!!お前は莉奈ちゃんと頑張れよ!?応援してるからな!!」
アキラは慌てて起き上がると、制服についた汚れを手で払った。
「お前さ、いい加減井上に気持ち伝えれば?」
「……――ハァ?何だよ、急に!!」
「井上が男作らないのも、お前のこと気にしてるからじゃねぇの?」
莉奈と仲のいい井上絢子。
スラッとした細身の体系に映える長い手足。
顔はどちらかといったら、美人の部類で。
3年の奴らから人気があると風の噂で聞いたことがある。
井上ならすぐに男がつくれそうなのに、浮ついた話を今まで一度だって聞いたことがない。