隣の席の俺様ヤンキー【完】
「でも、授業始まっちゃうよ?」


「お前もたまにはサボれ」


あたしの腕を掴んで歩く魁一の手にはさほど力は込められていない。


振り払おうと思えば、簡単に振り払える。


拒否しようと思えば、いくらでも拒否できる。


その場に立ち止って、魁一の手を振り払って、教室に戻ることは簡単だった。


だけど、あたしは自分の意思で魁一についていった。


教室に入ろうとする生徒達をかき分けるようにして廊下を歩く魁一。


魁一の後ろは歩くのはすごく楽。


だって、魁一が歩けば周りが道を開けてくれるから。
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