隣の席の俺様ヤンキー【完】
連れてこられたのは普段は立ち入り禁止の屋上だった。


魁一とここへ来るのは2度目だ。


初めて来たときは……ここでキスされたんだったね……。


つい最近のことなので、ずいぶん昔のような気がする。



「そんなとこにつっ立ってねぇで、座れよ」


「……うん」


地面にあぐらをかく魁一の隣にちょこんと座る。


少し離れたほうがいいよね?


ピッタリくっ付いて座るのもなんとなく気が引けて、わずかに距離を開けた。



「何でそんなに離れてんだよ」


なんでって……。そんなの決まってる。


近付きすぎると心臓がどうかしちゃいそうなんだもん。


好きの気持ちが溢れ出して、どうしようもなくなるから。


すると、魁一はあたしの肩を掴んで自分の方に引き寄せた。



「……――っ!!」


魁一にとっては何気ないその行動があたしの胸をこれ以上ないというほどに熱くさせる。


魁一は……誰にでもこういうことをするの?


未だにあたしの肩から手を離そうとしない魁一。


触れられている部分がジンジンと燃えるように熱くなる。
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