隣の席の俺様ヤンキー【完】
「見てたわけじゃねぇよ。見えただけだ」


「そんなに変わらないよ……?」


魁一の反論がちょっぴり面白くて。


あたしがクスッと笑うと、魁一は「何だよ」と不機嫌そうに言った。



「魁一、勘違いしてるよ」


「勘違いってなんだよ」


「あたし、宮崎君のこと好きじゃないよ?宮崎君にそういう感情を抱いたこと一度もないもん」


「お前はそうでも、あいつは違うだろ」


あたしの肩を抱く魁一の手にグッと力がこもる。


それは、一瞬の出来事だった。


魁一はあたしの肩から背中に素早く手を移動させると、ギュッとあたしの体を抱き締めた。


そして、何の前触れもなくこう言った。



「お前、俺と付き合え」


「……え?」


あまりに突然のことに、今何が起こっているのか理解できなくて。


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