隣の席の俺様ヤンキー【完】

「その台詞……前にも言われた気がする」


っていうか、あたし達、今も一応付き合ってるんじゃないの?


それが例え偽りだとしても……。


そんなに念を押さなくてもちゃんと分かってるのに。



「……魁一、苦しいよ……」


魁一の体の熱があたしにまで伝わってきて、体中が熱を帯びる。


魁一に抱きしめられていてよかった。


魁一がどんな顔をしているのか分からないのは残念だけど、あたしの真っ赤な顔も見られないですむ。


こんなに近付いたら、胸のドキドキが魁一に伝わっちゃうよ……。




「お前、俺の女になれ」


「え……?」


だから、あたしは一応『仮』だけど魁一の彼女なんじゃ……。


すると魁一は、あたしの体に回す腕の力を弱めた。
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