隣の席の俺様ヤンキー【完】
数十センチ先には魁一の整った顔。


まぶたに出来た喧嘩の古傷がちょっぴり痛々しい。



「……――っ!」


思わず目を伏せると、魁一はあたしの顎をクイッと掴んで持ち上げた。


「こっち見ろよ」


「……っ、やだっ!!」


「何でだよ」


「だって……――」


恥ずかしいんだもん。


魁一と目が合うと、心臓がおかしくなっちゃうんだもん。


魁一は気付いてないと思うけど……



あたしはずっと前から、


魁一のことが好きだったんだよ……――。
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