隣の席の俺様ヤンキー【完】
「で、でも……魁一はあたしのことが嫌いなんでしょ?」


「は?」


「前に聞いちゃったの。ナナセとは死んでも付き合いたくないって言ってるの」


あの日を境に、魁一への自分の気持ちを抑え込んだんだ。


それくらい、魁一の言葉にショックを受けたから。


あたしがどんなに魁一を好きでも、魁一はあたしを好きになってくれないって……知ってしまったから。



「何だそれ。俺、そんなこと言った覚えない」


「魁一は覚えてなくても、あたしはちゃんと覚えてるの」


言ったほうは覚えていなくても、言われた方はちゃんと覚えてるんだよ?


「だから言ってないって言ってんだろ。お前、いつの話してんだよ」


頑なに否定する魁一に事情を説明すると、魁一は呆れたようにフンッと鼻で笑った。
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