隣の席の俺様ヤンキー【完】
「今からでも遅くないし、莉奈ちゃんのこと迎えにいってやれば?」
「何で俺があいつを迎えにいかなきゃなんねぇんだよ」
「魁一、いいか。よく聞けよ?多分今、莉奈ちゃんと宮崎、二人っきりだぞ」
「……宮崎と?つーか、なんでそんなことをお前が知ってんだよ」
「ほら、休み時間に二人で喋ってたじゃん?あの時、図書委員がどうのこうのって言ってたのが聞こえてさ。今頃、図書室で二人っきりかもよ?」
莉奈と宮崎が二人っきり……?
しかも、図書室で。
図書室を利用している生徒はあまり多くない。
何故か急な胸騒ぎがする。
「……――アキラ、お前先に帰れ」
アキラに背中を向けて元来た道を引き返す。
「魁一、頑張れよ~!!」
何を頑張れって言うんだよ……。
アキラの楽しそうな声を背中に受けながら、俺は早足に学校に向かった。