隣の席の俺様ヤンキー【完】
「二人ともこんなところで喧嘩しないでよ!!」
「莉奈は黙ってろ。これは俺とこいつの問題だから」
「ううん、二人だけの問題じゃないよ!!」
莉奈は宮崎のYシャツを掴む俺の手をそっとつかんだ。
俺は黙って莉奈の動きに目をやる。
「宮崎君のあたしへの『好き』は友達としてだよね?」
「友達と……して?」
「そう。ずっと一緒に図書委員をやってきた仲だもん。あたしも宮崎君が好きだよ」
は?宮崎が好きってなんだよ。
莉奈の突然の『好き』発言に苛立ちが最高潮に達しようとている。
だけど、俺の手を掴む莉奈の手にわずかに力がこもった。
「だけど、もし友達としてじゃなかったとしたら……」
「したら?」
「あたしは、宮崎君の気持ちには応えられない」
真っ直ぐ宮崎を見つめながらハッキリそう言った莉奈。