隣の席の俺様ヤンキー【完】

見上げると、彼の整った顔が涙で歪んだ。


唇が震えてうまく言葉にならない。


こんなことでクヨクヨ泣くなんて、絶対ウザいって思ってるよね……?


あたし……――


これ以上桐山魁一に嫌われたくないよ……――。



「何で言わなかった」


「えっ……?」


「どうしてもっと早く俺に言わねぇんだよ」


「だって……」


「お前、いつからやられてた」


「少し前から……」


「一人で泣くぐらいなら、すぐに俺に言えよ」


目の前が涙で歪んで、桐山魁一がどんな顔をしているのかは分からない。


ただ、その声が少しだけ震えている気がして。


すると、桐山魁一は唐突にこう言い放った。


「……――お前、俺の女になれ」と。
< 18 / 384 >

この作品をシェア

pagetop