隣の席の俺様ヤンキー【完】
「ん~!超美味しい~!!」
学校帰りの学生がごった返す店内。
絢子のおかげで無料でゲットできたアイスを頬張る。
「アキラもたまには役に立つわ」
「……だけど、本当は絢子を誘いたかったんだろうなぁ」
この無料チケットを理由に、絢子を誘い出そうとしているアキラ君の姿が目に浮かぶ。
「え?」
「あたし、アキラ君と絢子ってお似合いだと思う。二人は付き合ったりしないの?」
「ハァ~?するわけないじゃん。あんな女ったらし、絶対に嫌」
「アキラ君の本命は絶対に絢子だって。絢子が振り向いてくれないから、仕方なく違う女の子と遊んでるんじゃない?」
「そんなことあるわけないから」
ストロベリーアイスをスプーンですくい上げてパクパクと口に運ぶ絢子。
絢子がアキラ君のことを好きなのは、ずいぶん前から気付いていた。
本当は両想いの二人。だけど、どちらも素直になれずになかなかその距離が縮まらない。