隣の席の俺様ヤンキー【完】
「桐山君がアキラ……と?」
アキラ君の名前を出した途端に、少しだけ動揺しているような絢子。
「そうそう。あたし、ダブルデートって昔からしてみたかったんだ!!それにほら。魁一だけ誘っても絶対に来てくれないから、アキラ君もよんでいい?」
「別にいいけど……」
「よし、決定!!あたし、ちょっと外で魁一に電話してくるねっ!!」
携帯を手に席を立ち、ガヤガヤとうるさい店内から外に出る。
外から絢子のいる席を覗くと、絢子はバックから取り出した手鏡で化粧の確認をしていた。
なんだかんだ言っても、やっぱり絢子はアキラ君のことが好きなんだね。
ほほえましい気持ちを抱えながら魁一に電話を掛ける。