隣の席の俺様ヤンキー【完】
「アキラ君……急にどうしたんだろう」
もしかして、魁一の話を聞いて怒りだしちゃったのかな?
外で喧嘩でもしてたらどうしよう……――。
「これでうまくいくかもな」
だけど、あたしの心配をよそに魁一は涼しい顔でそう言い放った。
「うまくいくって……絢子とアキラ君が?」
「あぁ」
「でもさっき、アキラ君のこと怒らせてたでしょ?」
「アイツは怒ったんじゃなくて、妬いたんだよ」
「妬いたって?」
「ヤキモチ」
「ヤキモチ……?アキラ君が……?」
魁一は最初からアキラ君と絢子を……――。
「もしかして……魁一も絢子とアキラ君をくっつけようとしてたの?」
「別に。ただ、アキラがウジウジしてて見ててイラつくだけ」
「さっき絢子に橘くんと付き合った方がいいってあおったのも……」
「ああでもいえば、アキラも焦るだろうって思ってたけど、予想以上だったな」
「魁一……」
クスッと笑った魁一に胸がキュンっと高鳴る。