隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……――ねぇ、魁一。また一緒に映画観に行ってくれる?」


「ったく。しょうがねぇな」


前を向いたままぶっきら棒にそう答える魁一。


うぬぼれてるだけかもしれないけど、『今日、映画観にいかない?』って誘ったら、


『ったく。しょうがねぇな』っていって魁一はついてきてくれる気がするんだ。



ふふっ……。


なんか、本当に言葉にあわらせないくらい幸せだよ。


これ以上の幸せはないって言いきれるぐらいの幸せ。


ああ、もうどうしよう!!


あたし、魁一が好きすぎて、本当におかしくなっちゃいそう!!


しばらく歩くと、裏通りに入った。


さっきまでと比べて人もまばらで、街灯の少ない道路。


すると、魁一がピタリとその場に立ち止った。

< 205 / 384 >

この作品をシェア

pagetop