隣の席の俺様ヤンキー【完】
驚いて目を見開くと、そこには魁一の整った顔があって。
「……んっ……」
魁一はあたしの首の後ろに手をそえて、角度を変えながらあたしの唇にキスをした。
軽く触れるだけのキスが少しづつ激しくなっていく。
頭の中がクラクラして何も考えられなくて。
鼻に届く魁一の甘い香水の匂い。
足がガクガクと震えて、立っていることが精いっぱいだ。
休みなく訪れる魁一のキスに溺れながらも、魁一のYシャツをギュッと掴む。
「……――あんまエロい顔してんなよ」
唇を離すと、魁一はニヤッと笑いながらあたしの唇を指で拭った。
「っ……」
魁一は、ズルいよ。
これ以上、あたしを魁一の虜にしないで。
急に恥ずかしさが込み上げてきて、あたしは顔を隠すために魁一の胸にギュッと顔を埋めた。
「その顔、他の男に見せんじゃねぇぞ」
ポンポンっとあたしの頭を叩いた魁一。
『絶対に見せないよ』
あたしは心の中でポツリと呟いた。