隣の席の俺様ヤンキー【完】


「あっ、そういえばさ、魁一は普段映画って観たりするの?」


家まであと少しというところで、そう尋ねると魁一は首を横に振った。


「映画館にはほとんど観にいかねぇな。たまにDVD借りて家で観る」


「へぇ~、そうなんだ!!じゃあ、今度一緒にDVD借りて観ない?」


「……どこで?」


「もちろん、魁一の部屋で!!」


彼氏の部屋で一緒にDVDみるの、ひそかな夢だったんだっ。


まだ魁一の家には行ったことがないけど、行くことを想像しただけでワクワクした気持ちになる。


どんな家なのかなぁとか、どんな部屋なのかなぁとか。


考えるだけでもなんかすっごい楽しい!!


だけど、そんなあたしに対して魁一は冷ややかにこう言い放った。


「……――無理」


「へっ?」


「だから、無理」


全くブレることなくそう言い切った魁一。


あたしは思わず聞き返した。

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