隣の席の俺様ヤンキー【完】
あいつが何をしたのかは分からないけれど、どうせろくなことじゃない。


『俺が一発で莉奈ちゃんを喜ばせてやるって』



でも、確かにアキラは俺よりも女の扱いがうまいし、放っておいても問題がなさそうだ。



「……昼寝でもするか……」


次の授業もサボることが決定したし、うるさいアキラももういない。


ポツリと呟いた瞬間、屋上の扉が開いた。


アキラが戻ってきたのか……?


体を起こして扉に目を凝らした俺は、思わず眉間にしわを寄せた。


ゆっくりとした歩みで俺の隣にやってきた白鳥は黙って俺の横に腰を下ろした。


「魁一君、またサボりっ?」


テカテカに光ったピンク色の唇。


その端をクイッと上に持ち上げながら白鳥は尋ねた。
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