隣の席の俺様ヤンキー【完】
「キス……しちゃったね?」


自分の唇に触れながら上目遣いで俺を見る白鳥。


「魁一君って背が高いから、自分からキスするのってすごく大変」


にこやかにそう言い放つ白鳥を俺は冷めた目で見下した。


「あんなのキスじゃねぇよ。ちょっとした事故だろ」


「事故……?」


「あぁ。俺はお前とキスしたいなんてこれっぽっちも思ってない」


「……――っ」


「だから、事故だって思うことにする」


今までだって散々警告した。


俺に付きまとうのはやめろと。


どんなに想われても、白鳥の気持ちには応えられない。


ならば突き放す他ない。


「……――いいの?」


「は?」


「あたしを怒らせたら……どうなるか分かんないわよ?」


さっきまでとは打って変わって威嚇するような鋭い視線を向ける白鳥。


俺はそんな白鳥を鼻で笑った。
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