隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……それ……本当なの?」


「どうしてそんなこと聞くの!?もしかして、あたしを疑ってる?」


「そういうわけじゃないけど……魁一がそんなことするなんて……」


「……――もういい!!」


「ちょっと待って!!」


白鳥さんはあたしの制止を振り切って、階段を駆け下りて行った。


その後ろ姿をあたしはただ呆然としながら追うことしかできなくて。


白鳥さんの言っていたことを信じたくない。


彼女は魁一の熱狂的なファンだし、あたしと魁一の仲を切り裂きたくて嘘をついたのかもしれない。


それに、大好きな魁一からキスされたら泣いて喜ぶはず。


でも……無理やりされたとなれば話は別かもしれない。


本当は信じたくない。


だけど、階段を下りてきたとき、確かに彼女は泣いていた。


あたしが現れたタイミングを見計らって泣くなんて絶対に無理だ。


じゃあ、やっぱり白鳥さんの言うことは……――。
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