隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……――今のは事故だから気にしないでよ」


「は?」


「桐山君も白鳥さんとキスしてたよね?それと同じ」


宮崎君の言葉に、魁一は眉間にしわを寄せる。



「ビックリしたよ。屋上に行ったら、桐山君が白鳥さんとキスしてるんだもん。その時、聞いちゃったんだ。事故だって」


「盗み聞きなんていい趣味してんだな」


「誤解しないでよ。たまたま聞こえただけだから」


「勝手に言ってろ」


「俺、やっぱり七瀬さんが好き。諦めようと努力したけど、やっぱり無理だ」


「それで、俺にどうしてほしいわけ?」


「七瀬さんと別れてほしい。偽りの恋人なんて桐山君の方がよっぽど悪趣味だろ?」


宮崎君の言葉に、魁一の眉がピクッと動いた。


「えっ……?」


魁一の視線があたしに向けられる。


その瞳には明らかな軽蔑の色が浮かんでいた。

< 258 / 384 >

この作品をシェア

pagetop