隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……――そんなことまでこいつに話したのかよ」
「ちがっ……」
魁一はあたしが宮崎君に『偽りの恋人』であったことを話したと誤解している。
違うよ、魁一。
あたし……話してないよ……――。
宮崎君はあの日、あたしと魁一の会話を聞いていたんだよ……――。
「お前、俺と別れてこいつと付き合いたいわけ?」
「違う!!魁一、話を……――」
「話がしたいならこいつにしろよ」
「魁一……――!!」
「さっきのも事故みたいなもんなんだろ?それなら別にどうだっていい」
冷たくそう言い放つと、魁一はあたしの横をスッと通り過ぎた。
誤解を解きたいのに、うまい言葉がみつからずに魁一の背中を目で追うことしかできない。