隣の席の俺様ヤンキー【完】
ただ、胸が張り裂けてしまいそうなほど苦しい。


唇がガタガタと震えて歯がガチガチと嫌な音を立てる。


「……――うぅ……魁一の……バカ……」


ほんの少し前までは魁一からのハートマークのメールに飛び上がりそうなほど喜んでいたのに。


それなのに、今は魁一の後を追いかけることもできない。


こんなに好きなのに。


こんなに好きにさせておいたくせに『勝手にしろ』って何?


あたしが宮崎君とキスしてたのを見て、何も感じなかった?


事故ってあっけらかんと言い放った魁一。


やっぱりあたしには何の感情も持ってくれていないの?


あたしは白鳥さんと魁一がキスしたと知らされて、押しつぶされそうなほど胸が痛かった。


辛いし、悲しいし、悔しいし、胸の中にモヤモヤが広がった。


だって、魁一が大好きだから。


大好きな彼氏がほかの女の子とキスしたって知ったから。


でも、魁一は……あたしと宮崎君のことを『事故』って言った……。


何も感じていない様子で。

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