隣の席の俺様ヤンキー【完】
すれ違いの代償【魁一side】
【魁一side】


「魁一、最近荒れすぎだろ。莉奈ちゃんとなんかあったのか?」


登校中、アキラが唐突にそう尋ねた。


時計の針はすでに10時を回っている。


今日もまた遅刻だ。



「別に何もねぇよ」


「いや、何もないわけがない。今の魁一は俺ですら怖くて近付けねぇし」


「ハァ?近付いてるだろ」


「いつもよりかは距離とって歩いてるだろ~?」


「お前、少しくらい黙ってらんねぇの?」


「まぁね。俺、しゃべるの大好きだから。それに、今日の『あれ』が楽しみすぎてついつい興奮しちゃってさぁ~」


「あれって何だよ」


「ハァ!?魁一しらねぇの~?今日は年に一回の特別授業の着衣水泳があるんだって!!」


「着衣水泳ってなんだよ」


「魁一は去年も不参加だもんな~!!今年は出た方がいいぞ?」


「めんどくせぇしでねぇよ」


そう答えると、アキラは聞いてもいないのに着衣水泳の良さを力説し始めた。


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