隣の席の俺様ヤンキー【完】
莉奈と付き合う前までは、こんなことで悩んだりすることなんてなかったのに。
女に振り回される自分なんて想像できなかった。
そんな自分自身の変化に戸惑い、そして日に日に苛立ちが募っていく。
「……――くそっ」
歩きながら地面に落ちた小石を蹴飛ばすと、隣を歩くアキラの肩がびくっと震えた。
「ちょっ、魁一!!俺なんもしてねぇーぞ?」
「は?」
「そんな怒るなって。そうじゃなくても怖いんだからさ。って……、そういえばさ……――」
アキラはそこまで言うと、何かを思い出したかのように顔をあげた。