隣の席の俺様ヤンキー【完】

「あっ、魁一君~待ってよ~!!」


歩き出した彼を白鳥さんが慌てて追いかける。


他の女の子達が桐山魁一のそばに寄らないように目で威嚇(いかく)しながら。


「朝からあのテンション……疲れないのかね」


「……疲れない……みたいだね」


呆ながらそう言う絢子につられて苦笑いを浮かべたその時。



「……――莉奈」


「へっ?」


何?今……あたしのことを莉奈って……――。



いつの間にか目の前に立っていた彼が、あたしの肩をガシッと掴んだ。
< 27 / 384 >

この作品をシェア

pagetop