隣の席の俺様ヤンキー【完】
「本当はもっと早く助けてあげたかったんだけど……俺、泳げないんだ」
「えっ?」
「子供の頃にプールで溺れてからトラウマになっちゃってさ。今も水が怖いんだ。だから、すぐに飛び込めなくて」
「宮崎君……」
宮崎君はそこまでしてあたしを……
こんなあたしのことを……――。
「宮崎君、本当にありがとう……」
「いや、いいんだよ。俺も前、七瀬さんに助けてもらったから」
「え?あたしが宮崎君を?」
「そう。中3の夏、路地裏でボコボコにされてた男を助けなかった?もう覚えてないかな」
「中3の夏……?」
「そう。夏休みに入ったばかりの頃」
「えっと……ちょっと待ってね……」
記憶を引っ張り出してよく考えると、思い当たる出来事があった。
中3の夏休み、何気なく通った路地裏で男の子が二人の不良に囲まれて袋叩きにされていた。
「えっ?」
「子供の頃にプールで溺れてからトラウマになっちゃってさ。今も水が怖いんだ。だから、すぐに飛び込めなくて」
「宮崎君……」
宮崎君はそこまでしてあたしを……
こんなあたしのことを……――。
「宮崎君、本当にありがとう……」
「いや、いいんだよ。俺も前、七瀬さんに助けてもらったから」
「え?あたしが宮崎君を?」
「そう。中3の夏、路地裏でボコボコにされてた男を助けなかった?もう覚えてないかな」
「中3の夏……?」
「そう。夏休みに入ったばかりの頃」
「えっと……ちょっと待ってね……」
記憶を引っ張り出してよく考えると、思い当たる出来事があった。
中3の夏休み、何気なく通った路地裏で男の子が二人の不良に囲まれて袋叩きにされていた。