隣の席の俺様ヤンキー【完】
最初はただの喧嘩かと思って見て見ぬふりをしようと思った。


だけど、一方的に罵声を浴びせられながら蹴り飛ばされて地面に転がる男の子を見て覚悟を決めた。


「……――お、お、お巡りさん!!こっちです!!」


自分でも信じられないくらいの大声でそう叫んでいた。


足はガクガクと震えるし、声は裏返るし。


だけど、なんとかして目の前にいる男の子を助けたいと思った。


「おい、ヤベェ!!いくぞ!!」


思ったよりもうまくいった。


お巡りさんを恐れ、男の子を蹴り飛ばしていた不良たちが足早にその場を立ち去った。
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