隣の席の俺様ヤンキー【完】
「そんなとこに座ってんじゃねぇよ。早く立て」
口の端が切れて血を流す宮崎君を無理矢理立たせると、再び拳を宮崎君に叩き込んだ。
「テメェ、人の女に手だそうとしてただで済むと思うなよ」
「七瀬さんは本当に桐山君の彼女なの……?俺にはそう思えない」
「ハァ?何が言いたいんだよ」
「桐山君は本当に七瀬さんのことが好きなの……?中途半端な気持ちで付き合ってるなら……」
「もし半端な気持ちで付き合ってたとしても、お前には絶対にやらねぇよ」
魁一の言葉に頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。
えっ……?
半端な気持ち……?
魁一の言葉が何度も頭の中で繰り返される。
魁一はやっぱり、あたしと中途半端な気持ちで付き合ってたの……?
付き合えたって喜んでたのはあたしだけ?
あたしだけが勝手にはしゃいでただけなの……?
胸の中から熱いものが込み上げてきた途端、目から大粒の涙が溢れだした。