隣の席の俺様ヤンキー【完】

「あたし……魁一が……本気で付き合ってくれてるって勘違いしてた」


「莉奈……」


「本気じゃないなら、どうして優しくしたりするの?」


どうして抱きしめたの?どうしてキスしたの……?


『どうして』という言葉ばかりが頭の中に浮かんでは消えていく。


あたしはこんなにも大好きなのに、魁一にとってはあたしなんてどうだってよかったんだ。


「あたし……魁一から届いたあのメールすごく嬉しくて保護して……何度も見てたのに……。一人で浮かれて……バカみたい」


魁一から初めて届いたあのメール。


『キスして』って書いてあったから、頑張って自分からキスをした。


魁一に少しでも喜んでほしくて。


魁一ともっと近づきたくて。


それなのに……――。
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