隣の席の俺様ヤンキー【完】

「……――美味しい」


熱っぽい体を冷やすために、駅前のアイスクリーム屋さんでバニラアイスを注文して口に頬張る。


何だかさっきよりも熱が上がっているみたい。


頭がガンガンと痛む。


こめかみを指で押さえながら辺りを見渡すと、魁一との出来事を思い出してしまった。


目の前に魁一が座って、なんてことのない言葉を交わして。


周りの目が気になるってここを出て、その後映画館にいったよね……。


恋愛ものの映画なんて絶対に見たくないはずなのに、一緒に行ってくれた魁一。


多分、途中で少し寝てたよね……?


そんな気がしたけど、照れくさくて魁一の顔が見れなかったんだ。


だって、正面だけじゃなくて横顔すら信じられないくらいカッコいいんだもん。


魁一のことを目で追わない女の子はいない。


背も高いし、髪の色も明るいし、オーラもある。


体つきも細身に見えて、Yシャツからのぞく腕は男らしくて力強い。


身に着けているアクセもセンスがいいし、制服の着こなし方を他の男子が真似している。


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