隣の席の俺様ヤンキー【完】
あの日だって……――。


『……――ナナセ……?興味ない。アイツに何の魅力も感じねぇし。つーか、むしろ嫌い』


その言葉を聞いた時だってあんなに嫌いになろうと努力したのに、結局嫌いになれなかった。


ようやく偽りの恋人から……本物の恋人になれたつもりでいたのに。


「……――っ」


早退したのをお母さんにバレたくなくて、時間をつぶすためにブラブラと当てもなく歩き続ける。



あと少ししたら、家に帰ろう。


時間を確認して駅の方向に歩き出した時、前を歩く男子高校生に目がいった。
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