隣の席の俺様ヤンキー【完】
迫る黒い影【魁一side】
【魁一side】


「くそっ」


携帯の充電が切れ、俺は力任せに携帯をポケットに押し込んだ。


『莉奈、教室にきたか?』


『戻ってきたと思ったら教室を飛び出していったけど……。何かあったの?莉奈熱あるのに大丈夫かなぁ……』


教室にいた井上に尋ねると、井上は心配そうにそう答えた。



『あたし……魁一が……本気で付き合ってくれてるって勘違いしてた』


莉奈は俺が適当な気持ちであいつと付き合っていたと誤解したんだろう。


アキラが送ったメールを莉奈があんなに喜んでいたなんて知らなくて。


あの日、本当のことを話すべきだった。
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