隣の席の俺様ヤンキー【完】
莉奈の後を追うように学校を早退し、街中を探してみても莉奈らしき人物は見当たらない。
莉奈が家に帰っていることを見越して訪ねると、チャイムを鳴らしても誰も出てこなかった。
俺の焦りを無視するかのように辺りが次第に暗くなる。
「どこにいんだよ……」
つーか、さすがにもう家に帰ってるよな……?
今から莉奈の家に向かって、帰っているかどうかだけでも確かめよう。
もしかしたら、すれ違いになっただけかもしれない。
元来た道を引き返そうとした瞬間、
「……――魁一君?」
誰かが俺の背中をポンポンッと叩いた。
「白鳥……」
「もしかして、莉奈ちゃんのこと探してるの?」
腕を組んで挑発的な目を向ける白鳥。
俺は白鳥をキッと睨みつけた。
「テメェ、自分がしたこと分かってて俺の目の前に現れてんのか?」
莉奈をプールに突き落としただけではなく、宮崎とも共謀して俺達を別れさせようとしたくせに……。