隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……――おい、莉奈!!どこにいんだよ!!」


暗い路地裏に入り莉奈の姿を探す。


でも、そこには莉奈の姿はない。


「クソッ。あの女、ハメやがったな……」


ボソッとそう呟いた瞬間、目の前がぐらりと歪んだ。


「……ってぇ……――」


後頭部に激しい衝撃が走り振り返ると、そこには一人の男が立っていた。


髪を金色に染めた背の高い男。


男の口元がクッと上に持ち上がる。


「……――お前……宮崎か?」


バッドを手に俺を冷めた目で見つめる男は明らかに宮崎で。


だけど、雰囲気が宮崎とは明らかに違った。


血走った目で俺を睨みつけると、素早い動作でバットを振り下ろした。
< 331 / 384 >

この作品をシェア

pagetop