隣の席の俺様ヤンキー【完】
「何で名字で呼ぶんだよ。魁一って呼べよ」


「だ、だって……ずっと桐山君って呼んでたし、昨日までほとんど何の接点もなかったし……。そんな急に言われても……」


「お前の言い訳なんて聞きたくない」


な、何それ!!


「でも……」


「いいから俺に従え」


「……――っ」


俺に従え!?


何ていう俺様男!!


「何だよ。何か言いたそうだな?言いたいことがあるんなら、言えよ」


『言え』っていわれたからって今の気持ちを正直に話せるわけがない。


言ったらどうなるか……想像するのすら恐ろしい。




「別に……何もないけど……」


あたしがそう答えると桐山君は……じゃなくて、魁一は満足げにあたしから視線を外した。



桐山魁一……。


こんなに自分勝手で俺様な人、見たことも聞いたこともない。


って……いるんだったね。今、あたしの目の前に!!


思わず心の中で突っ込みを入れた時。
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