隣の席の俺様ヤンキー【完】
……――中3の夏休み。


路地裏で2人の男に袋叩きにされていた宮崎君。


あの日の怪我で宮崎君の選手生命は断たれた。


幼い頃からバスケを初めて、地区大会の選抜選手にも選ばれて将来有望だった宮崎君。


だけど、あの日……宮崎君の夢は2人の男によって奪われたんだ。



「白鳥に聞いたんだ。優斗の肩をやったのは桐山魁一だと。まさか白鳥に騙されるなんて……」


陸斗君は悔しそうに唇を噛んだ。


まさか白鳥さんがそんなことを……。


いくら魁一に振られた腹いせとはいえ、そんなのひどすぎる。


「そんなのってひどいよ……。魁一はそんなことやってないのに……」


「確認しなかった俺のせいだ。桐山、お前には迷惑かけたな……」


宮崎君の双子の兄である陸斗君が申し訳なさそうに頭を下げる。


魁一はよほど頭に来ているのか、ムスッとしたまま黙ってタバコを吸っていた。
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