隣の席の俺様ヤンキー【完】
「こいつは俺のものだ。今までも、この先もずっと」


魁一……それって……――。


「今度莉奈に手を出したらただじゃすまねぇからな。覚えとけよ」


「……――分かった。今度七瀬さんに手を出したら、本当に殺されちゃいそうだしね」


苦笑いを浮かべる宮崎君の隣で、陸斗君が首をかしげた。


「もしかして、優斗もこの子のことが好きだったのか?三角関係ってめんどくせぇ奴らだな」


「ハァ?一番めんどくせぇのはお前だろ?つーか、殴られたとこすっげぇ痛いんだけど。どうしてくれんだよ」


「だから、悪かったってさっきも謝っただろ?しつけぇんだよ」


何だか魁一と陸斗君ってすごくよく似ている。


さっきまでは敵対していたのに、今は普通にしゃべってるんだもん。


魁一って……本当に不思議な人。


大勢で群れたりしないけど、魁一の周りには自然と人が集まってくる。


そして、魁一の周りの人はみんな笑ってる。


口数の少ない魁一はムスッとして黙っていることが多いけど、みんなに好かれるのはきっと魁一に魅力があるからだ。
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