隣の席の俺様ヤンキー【完】
「あ~、魁一ってラブホ派?たまにはいいけど、毎回だと金もたないだろ?」


「だから、してねぇって言ってんだろ」


「ま、マジで!?家でもなくラブホでもないってことは外……――」


「だから、してねぇんだよ」


「……――はっ?」


一瞬フリーズしたアキラは「えっ、えっ……ちょ……ウソだろ?」と目を丸くした。


「魁一と莉奈ちゃんって……まだヤッてないの?」


「あぁ」


「どうしてだよ!!あんな可愛い子、俺だったらすぐに……――」


「すぐになんだよ」


「じょ、冗談だって。そんな怖い顔すんなよ」


俺は呆れながらポケットの中のタバコを取り出して口にくわえた。


付き合ってから俺は莉奈にキス以上のことをしなかった。


莉奈が家に来たいといった時も、何かと理由をつけて断った。


あいつと二人っきりになれば、理性を抑えることができないから。


キスをすることすら初めてだった莉奈にそれ以上の経験があるとは思えない。


莉奈が望むまで待とうと自分の中で決めてはいたものの、アキラに指摘されるとイラッとした。
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