隣の席の俺様ヤンキー【完】

あれっ?


予想外の行動に思わず面食らう。


おかしいな……。このまま押し倒されるはずじゃ?



「あの……魁一?」


「あぁ、着替えか?ちょっと待ってろ」


って、違うよ!!


着替えじゃない!!


魁一は後ろを向いたままそう言うと、おもむろに着替え始めた。


Yシャツを脱ぎ捨てると、魁一の上半身が露わになる。


薄ら日焼けした肌。


細身のわりにしっかりとついている筋肉。


女であるあたしが見惚れちゃうくらい完璧な体。


天は二物を与えずっていうけど、そんなのありえない。


だって、目の前にいるんだもん。


顔も体も完璧な魁一が。


何か、変な気持ち。


目の前にいる魁一の背中に触れてみたい。


あの体温を……直接感じたい。
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