隣の席の俺様ヤンキー【完】
そして、昨日。


俺はあいつが一人で涙を流している現場を目撃した。


机にでかでかと書かれた落書き。


その落書きを俺に見られまいと必死で隠すあいつに何故か胸が締め付けられて。


なんで、無理してんだよ。


なんで、一人で泣いてんだよ。


どうしてこんなに溜め込む前に俺に言わねぇんだよ。


俺が原因でこんなことされてんのに、どうして俺をののしらないんだ。
何とかしてやらないと、コイツはきっと……――。


優しい言葉や励ましの言葉をかけたくても、そんな気の利いた言葉は出てこなくて。



『……――お前、俺の女になれ』


自然とそんな言葉が口からこぼれ落ちた。
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