隣の席の俺様ヤンキー【完】

「帰るぞ」


「まだ図書委員の仕事終わってないから」


「俺の言うことは絶対だ」


ほら、また。魁一はあたしにことなんて何も考えてくれない。


あたしたちは偽りの恋人だし、あたしの気持ちを考える必要なんてないって分かってる。


だけど、そう簡単に割り切れないよ。


二週間前、屋上でキスされたあの瞬間から、あたしの心は魁一にかき乱されてばかりだ。


「ちょっ、何それ。ていうか、宮崎君だけに仕事を押しつけて帰れるわけないでしょ!?」


すると、ずっとあたし達のやりとりを黙って見つめていた宮崎君があたしの左腕を掴んだ。

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