隣の席の俺様ヤンキー【完】
「桐山君、後少しで終わるからもう少しだけ七瀬さんのこと貸してくれない?」


「……ハァ?」


「今日の返却分だけでも片付けたいんだけど」


「つーか、こいつから手離せよ」


「桐山君が離せば?」


「何で俺が離さなきゃなんねぇんだよ。テメェが離せ」


「嫌。桐山君が離しなよ」



右腕を魁一が、左腕を宮崎君が。


二人はグイグイとあたしの腕を引っ張り合う。


「ちょっ、二人とも落ち着いてよ!」


ヤンキーvs王子様


二人の間に漂う、険悪なムード。


魁一はいつものことだけど……


宮崎君が感情的になってるのを見るのは初めてかも……。


って、そんなことを考えている場合じゃない。


本当に腕が痛い!


「……もう!!二人とも手を離してよ!!痛いのっ!!」


そう叫ぶと、二人は同時にあたしの腕から手を離した。
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