隣の席の俺様ヤンキー【完】
結局、何とか魁一を説得して5分だけ時間をもらったあたし。


廊下で待っている魁一の不機嫌そうな顔が目に浮かぶ。



「これで終わりだよね?」


「うん。後の片付けは俺がやっておくから。七瀬さんは先に帰って?」


「ありがとう。それと……魁一がごめんね?魁一も悪気があったわけじゃないと思うんだ」


返却分の本を本棚に戻し終えると、あたしは宮崎君に小さく頭を下げた。

あたしと同じ図書委員っていうだけで宮崎君に嫌な思いをさせてしまったはず。


だけど、宮崎君は柔らかい笑みを浮かべて首を横に振った。
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