隣の席の俺様ヤンキー【完】
「……――な、何でもない!!もう帰ろう!?ねっ?」


「今度はなんで慌ててんだよ」


「だから何でもないの!!」


宮崎君にパンツを見られたことを魁一に知られたくなくて。


あたしはカウンターの上の学生カバンを手に取ると、魁一の手首をギュッと掴んだ。


「宮崎君、またね!!」


「うん。また明日」


「魁一、もう帰ろう!!」


一刻も早くこの場から立ち去りたくて。


図書室を出てから、ズンズンと廊下を進んでいく。


ハァ……。


今日は踏んだり蹴ったりの一日だ。


脚立から落っこちるし、宮崎君にパンツを見られるし。


あっ……。


そういえば、あたしまだ魁一にお礼を言ってなかった。

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