隣の席の俺様ヤンキー【完】
「と、とにかく保健室で手当てしないと……!!」


「ったく。しつこい奴」


「しつこくて悪かったわね……」


呆れながらもズンズンと歩くあたしの後ろについてくる魁一。


「お前さぁ……」


「な、なに?」


また嫌味を言われるのかと少し構えて聞き返すと、魁一は意外な言葉を放った。



「もう脚立に乗るな」


「えっ?」


思わず足を止めると、魁一があたしの横を通り過ぎて行く。



「落ちたら危ねぇだろ。高いところは宮崎にやってもらえ。何でもかんでも無理して自分でやろうとすんなよ」


「う……うん」


『落ちたら危ねぇだろ』って、あたしのことを心配してくれてるってこと……?



まさか……ね?


あたしは未だに抑えきれない胸のドキドキを落ちつけようと、魁一の後を追って足早に保健室に向かった。

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