隣の席の俺様ヤンキー【完】
「はい、これでよし!!」


保健の先生はあいにく不在で。


棚の中から湿布を一枚出して、それを魁一の痛めた手首に貼り付けた。


だけど、魁一は何故か眉間に皺を寄せている。


「これ、大袈裟すぎだろ」


「そ、そう?でも湿布貼っただけじゃすぐに剥がれちゃうでしょ?」


「だからってこれはないだろ。お前、どんだけ不器用なんだよ」


「し、失礼な!!」


魁一は自分の手首をマジマジと見つめながら、呆れたように鼻で笑う。


確かに湿布の上から巻き付けた包帯はちょっとだけ大袈裟かも。


ていうか、巻きすぎた……?


むしろ手首の太さがおかしくなってる気が……――。
< 96 / 384 >

この作品をシェア

pagetop