[裁きーJUDGEー]
…瞬間、激痛が走った。
目の前に有る自分の手には
長さ十センチの針が関節の
所まで隙間無く、
深々と刺さっていた。
「あぁあああぁぁあぁぁ!!!!!!!
ぐぅ…あぁ…、いてぇ…!!
…んだよコレはぁ…!!」
河原は歪んだ顔で
モニターの青年に聞いた。
[んふふ♪…。
その針は壁の中に埋め込まれて
ある、無数のセンサーに反応
して飛び出す仕組みなんです♪
タダで部屋から無事に出れると
思ってたら大間違いですよ?
さぁ…生きたいなら
血を流し、肉が裂け、骨が
砕けようとも…我慢しなさい♪]
モニターの青年は河原にそう
告げた瞬間、画面が入れ変わり
残り制限時間が映し出された。
―――残り、五分―――
河原は震えながら針を
引き抜きながら、恐怖していた。
針を抜く度に、河原の血液が
床に滴り落ちる。
白の床は河原の血液で
濁った赤に染まり果てていた。
「ふ…ふざけ…んなよ…。
こんなの…無理だ…。
死んでしまう…。」
河原は恐怖で手を
伸ばせずにいた。
河原の精神はものの五分で
崩壊しそうになった。
「ふ…震えが止まらない。
痛いのは嫌だ…死にたくない、
死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない
死にたくない死にたくない
死にたくない………。」
何もせず時間だけが悪戯に
過ぎていき残り一分となった、
…その時、河原に異変が起きた。